【バチェラー4🌹考察⑤】恋愛リアリティ番組について思うこと
岡田斗司夫がバチェラーについて語っていた。
岡田斗司夫ゼミ#422(2021.12.12)バチェラー・ジャパンはできの良い通販番組だ! 前澤さん宇宙へ - YouTube
めちゃくちゃ雑に要約すると、恋愛リアリティ番組は全然リアルじゃない、バチェラーを楽しめる層は馬○だ、というような話だった(※そこまで言ってない)。
バチェラーを楽しんで観ていた人間としてはシンプルにムカつくので笑、これに反論することで、私のバチェラー考察(と今年1年)の締めくくりにしようと思う。
そもそも岡田斗司夫の言うリアリティとは、何のことを指すのだろう。
話の展開なのか、出演者同志の恋愛なのか、はたまた出演者の人間性なのか…
話の展開に関していえば、現場でのサポートの仕方だったり、撮り方だったり、編集の仕方だったりで、スタッフの作為は十分に入り込んでいただろうとは思う。
岩間さんや友永さんに対しては色々説得を試みただろうし、あずあずのオイルマッサージや、今回のお泊まりだってスタッフが仕向けたものだと思っている。
でも別に、バチェラーを楽しんでいる人達は、サスペンスドラマのように話の展開を気にして観ている訳ではないと思うんだよね(そういう人もいるのかもしれないけれど)。
私たちは人様の恋愛する様子を題材にして、他人の言動に対する考えや感じ方を共有したり、恋愛や人生についてうんちくを垂れたり、要するに誰かとあれこれ語り合いたいだけで。
そして、肝心の出演者同士の恋愛や、出演者の人間性の話でいえば、割とリアルなものが映っていたように思う。
確かに、至近距離でマイクを向けられていたら、素人が100%本音で話すことは不可能に近い。
番組の性質上、好きでなくても好きと言わなくてはいけないし、有名になりたいとか良く映りたいとか色んな思惑も混じって、素の言動を出来ている人がどれだけいるのかといったら疑問だ。
そもそも出演者からしたら、そんな特殊な環境下での振る舞いを、一部の場面を切り取られてあれこれ言われたら、本当は全然そんなんじゃないのに!と言いたくなることは山ほどあると思う。
視聴者としては情報が限られているから、どうしたって推測に頼らざるを得ないところはある。
私が考察を書くときも、いちいちそんな留保はつけないけれど、一応そういうつもりで書いている。
でもね、私は思うんだよね。
その特殊な状況でどう振る舞うかも紛れもなくその人の個性だし、いくら編集されていたって何だって、そこに一筋の真実は確実にあるって。
昔とある芸人さんが、
「いくら取り繕ったってテレビはその人の人間性を全て映してしまう。だから恐ろしい。」
みたいなことを言っていた気がするけれど、その人のふとした言動や表情からすべてが明るみになってしまうことは案外多いと思う。
それに細かい反応レベルの話でいえば、同じシチュエーションでも、100人いたら100通りの言動をしているはずで。
例えば、確かに中野さんの最初のデートの状況に置かれたら、多くの女の子はお泊まりを選択しただろうけど(デートの流れやスタッフのノリ的に)、黄さんに「危うい」と言われた後の中野さんの反応は、中野さんという人間の個性がすごく出ていたと思う。
人間がある程度勝手に動いているからこそ、全然合理的じゃない言動をしたりするし、生身の人間同士でしか起こり得ないようなケミストリー(笑)が生じたりもする。
そしてその予定調和感のなさが、リアリティ番組の醍醐味だと私は思っている。
だから、そういう意味では真実は案外いたるところに散りばめられているし、それを拾ってあれこれ言うのは下世話でこそあれとても面白いし、
嘘くさい子供騙しの代物だと決めつけるのは、物事の解像度が荒い人なんだろうな〜人間に興味がないんだろうな〜という印象。
私は人間の色んな一面や要素を拾って楽しむのがただただ好きだから、Amazonさんには美味しいネタをありがとう、って感謝の気持ちでいっぱいだよ笑
同じ要領でアイドル(特にハロプロ)とかも好きなんだけど、アイドルの言動なんて全部嘘っぱちだ!歌だってソロ歌手の方が上手いよ!って人には多分分からない世界なんだろうなぁ。
ちなみに、出演者からしても、これはリアリティ番組なんです!あくまで!!と言えるところが、リアリティ番組のもう一つの良さだと思っている。
全てを自分の本物の言動だということにされてしまったら、色んな批判を背負いきれなくなってしまうだろうから…
視聴者としてもそれは分かっているよ!という体であれこれ言えるので、実際のところがどうであれ、お互いに言い訳が成立する関係を、リアリティ番組という構造は作り出してくれているんだよね。(そこに全く問題がないとは思わないけれど)
まあ何にせよ、自分に分からない世界をこき下ろすのは良くないですね。(自戒を込めて)
🥀🥂🥀🥂🥀🥂🥀🥂
ということで!!
一連のバチェラー記事の連載を読んでくださり、どうもありがとうございました🌹
それではみなさん、良いお年を〜!
【バチェラー4🌹考察④】秋倉さんだけが持っていたもの
バチェラー4は、朝ドラヒロイン諒子のパワーで感動的なラストを迎え、賛否両論だった黄さんの好感度すらも爆上げしてしまった。
秋倉さんの言動で心動かされたポイントはたくさんあったのだけれど、彼女の良さみたいな自明なものをここで語ったところで大して面白くもないので、今回は秋倉さんが黄さんの旅に与えた影響みたいなものについて語ってみようと思う。
最終話はまず、休井さんとのデートからだったんだけれど、率直な感想を言うと、見ていて胸がザワザワした。
とりわけ一緒に料理をしているシーンの黄さんは休井さんを責めているように感じられてしまって(実際にはそんなつもりは全くないのだろうけど)、怖いという気持ちを抱いてしまった。
休井さんといる時の黄さんって、良い状態の時は顔がデレているように見えるし、悪い状態の時はちょっとモラハラっぽく見える。
それは隣に休井さんがいることで、見ている側が勝手に妄想を膨らませてそういう風に見てしまうだけなのかもしれないけれど、
そうだとしてもそれは、休井さんが黄さんと並んだ時に、どこか不釣り合いというかチグハグだからなんだと思う。
なんというか、これまで生きてきた世界の違いみたいなのが自然と滲み出ている感じがする。
でも秋倉さんといる時の黄さんは、眼差しが優しくて、赤ちゃんでも見ているかのように顔が綻んでいて、とても愛情深い人に見えるんだよね。
二人が隣で笑い合っている姿はすごく幸せそうで、お似合いだねって言いたくなる空気感がある。
そしてこれは黄さんの、他の誰と一緒にいても引き出されなかった姿だと思う。
萌子さんといる時の黄さんはちょっと情けなかったし、藤原さんといる時の黄さんはダサい通り越して痛々しかったし、中野さんといる時の黄さんはどこか冷たかった。
ああ、秋倉さんといる時の黄さんが一番魅力的で素敵だなって、ここが黄さんの居場所なんだろうなって素直に思えた。
そもそも人って誰と一緒にいるかで全然違う人間になったりするものだから、自然と良い自分を引き出してくれる人と一緒にいることって大事なことなんだと思う。
昔すごく嫌いな人がいた時に、その人のことを大切に思っている人もいるということにふと気づいて、ああきっと私の中の何かがこの人の嫌な部分を引き出してしまっているだけなんだなって、どこか楽になれたりして。
そしてそれは、どちらが良いとか悪いとかというよりはむしろ、相性の問題な気がするんだよね。
だから、人生のパートナーとしてふさわしいのは、一緒にいる自分が一番輝けて、一緒にいる自分を一番好きになれる人なんだと思う。
黄さんって、何の意味もない言葉ばかりをやたらと求めるところからしても、すごく臆病な人だと思うんだよね。
テイカーという訳ではなくて、テイクしてからじゃないとギブできないリスクマネジメント型人間。笑
で、そういう人の心を溶かしてくれるのって、純粋で愛情深くて、少女のように天真爛漫だけれど、すごく繊細で大人びた部分もある、秋倉さんみたいな人なんだと思う。
秋倉さんみたいな人って時に一方的に搾取されてしまうけれど、黄さんは決してサイコパスではないから、心を許したらとことん愛情を注いでくれそう。
私は旅を通じて黄さんが変わったとは全く思っていなくて、相変わらず弱い部分のある、でもどこか可愛らしい人だなって感じの印象を持っている。
でも、人って別に変わらなくてもいいと思うんだよね。
もちろん前回の旅を踏まえて変わったと本人が言っていたこともあって、一視聴者としては期待をして観ていた部分はあったのだけれど、ただそもそも人間ってそんなに変われるものじゃないんじゃないかなって。
バチェラー4は紛れもなく黄さんの旅だったし、黄さんという人間の個性が存分に発揮されていたと思う。
前回と変わろうとして果敢に挑戦して色々もがいてみたり、その割に詰めが甘くて相手と一緒に自分も傷ついてしまったり、せっかく恋をしたのに上手く踏み込めなかったり、それでも最後はちゃんと自分にとって大切なものを掴み取って、覚悟を決める強さと賢さがあった。
友永さんには友永さんの正解があって、萌子さんには萌子さんの正解があるように、黄さんには黄さんの正解があるんだよね。
それを見させてもらうことで、色々なことに気付かされた自分もいた。
とはいえ、こんな風に素敵な旅になったのは、結局諒子ありきの諒子様様のおかげなんだけどね笑
でも、こうやって色んな人の正解を見ることで、この先迷った時により深く考えられる自分に自然となっていくのだと思う。
【バチェラー4🌹考察③】信じ続けた坂入さんが選ばれなかった訳
きりちゃんこと坂入みずきさんは、才色兼備で、バチェロレッテに出ても良さそうなくらい文句のつけどころのない女性だった。
旅においても、黄さんの結婚への本気度を確かめたり、ダンスを作ってきてみんなの前で披露したり、デートに誘われなくてもカクテルパーティーで話すことを毎回しっかり考えていたりと、芯の強さや真摯さが感じられて、視聴者からの評価は軒並み高かったんじゃないかと思う。
私の知り合いの男性達も、結婚するなら坂入さん!と口を揃えて言っていた。
けれども坂入さんは、エピソード5で「(結婚相手としてはいいと思うけど)何か足りないんだよね」と言われて落とされてしまった。
坂入さんは、みんなが疑心暗鬼になっていた時も、「すべてが本当だとは思わない」と言い切り、カクテルパーティーで不安な表情の黄さんを真っ先に誘うなど、女の子ではなく黄さんとの旅であるというバチェラーの本質を見失わずに、しっかりと黄さんと向き合っていた。
もし私が坂入さんだったら、「諒子はずっと僕を信じ続けてくれた(から選んだ)」と語る黄さんに対し、「え、私だって信じてたのに」って思ったと思う笑
ただ、私は事前動画を見た時から、なんかこの人バチェラーの隣にいるイメージが湧かないんだよなぁ〜とは思っていた。
その理由は、シンプルに「この人、バチェラーに出る男性のこと本能的に好きじゃなさそう」ということだったんだと思う。
本気で出演するくらいだから、おそらく本人は無自覚なんだろうけれど、こういうミーハーな番組でたくさんの女の子を侍らす役として出てくる男性のこと、絶対嫌いだよね??とは思っていた。
あと、そもそもバチェラーに出るような男性って、自分と同格な位スペックの高い女性を求めていなそう、というのもあった。
私が思う、坂入さんが落とされた理由は、
①垢抜け度(見た目と中身)が黄さん好みではなかった
②医者だった
③坂入さんが黄さんを好きじゃなかった(内心下に見ていた)
④黄さんの前で泣かなかった
あたりじゃないかなと思う。
<①垢抜け度(見た目と中身)が黄さん好みではなかった>
黄さんは、起業家という職業柄もあるかもしれないけれど、わりと垢抜け感のある女性が好きなんだろうなという感じがした。
最後に残った二人も、休井さんは元ギャルだったし、秋倉さんも友達になるくらい近いコミュニティの人だった。
坂入さんも可愛いしオシャレにしていたけれど、顔立ちや服装の系統だったり会話のテンポとかが、黄さんが自然とドキッとするような感じではなかったんだろうと思う。
<②医者だった>
歴代バチェラーもそうだけど、とりわけ黄さんは、女性に一歩後ろを付いてきて欲しい、という願望が強そうな感じがした。
対等な立場から物申されるよりも、「どんな貴方でも付いていきます」と言ってくれる女性を求めているイメージ。
お金に関しては黄さんの方が持っているけれども、学歴に関しては同じかそれ以上だし、そんな坂入さんのスペックに対して、黄さんはどこか萎縮する気持ちがあって、恋愛スイッチが鈍ってしまったんじゃないかと思う。
<③坂入さんが黄さんを好きじゃなかった(下に見ていた)>
黄さんとお別れする時やスタジオトークの感じからすると、坂入さん、黄さんのこと全然好きじゃなかったよね?と思った。
お別れする時も「弱い黄さんを守ってあげたかった」みたいな感じだったし、スタジオトークでは黄さんの振る舞い(キス連発)に対して思いっきりダメ出しからの「まあそうやって謝れるところはいいと思う」って、なんかもう格下の奴に対する接し方じゃんって笑
この私を落としたからにはぶったぎらなきゃ気が済まない、くらいのプライドすらある気がした。
坂入さんとしては、旅の中では、プライド的に落とされたくはないし、そういう趣旨の旅だしということで、黄さんに対して受け入れスタンスを取っていただけなんだと思う。
事前の動画でも「(キスをして脳内麻薬が出るか確かめるなんて)自分を自分で撹乱して何になるんだろう?」とか言っていたし、黄さんの言動に対して絶対に肯定的な感情は抱いていなかったよね。
坂入さん自身が、黄さんに対して特別な思い入れを抱けていた訳ではなかったということが、二人の間に見えない壁を作っていたんじゃないかな。
<④黄さんの前で泣かなかった>
これは実は一番大きな要因ではないかと思っているのだけれど、同じく結婚相手としてはいいな、という枠で残り続けていた秋倉さんは、例の騒動があった時に一度黄さんの前で涙ぐんでいるんだよね。
黄さんは最終デートでの旅でも秋倉さんの涙にかなり心動かされていたし、坂入さんが落とされた直接の理由も、落とすはずだったりむりむに泣いて訴えかけられたのが心に響いたからだったように見えた。
おそらく黄さんとしては、坂入さんはこの先も残してデートを重ねて判断するつもりだったのだけれど、急遽りむりむの存在感が増して一枠空けなければならなくなってしまい、苦渋の決断の末、という感じだったんじゃないかな。
一般的にも、ただのいい人は恋愛に発展しないとかいうけれど、人ってその人の生の感情に触れた時に、そこに共感したり揺さぶられたりして心を動かされるものなんだと思う。
だから取り繕った姿よりもみっともない情けない姿を見たかったりするし、ああこの人こういう表情をするんだとか、こういう時こんな反応をするんだとか、そういう積み重ねなくして思い入れを深めていくことは割と難しい(もちろん一目惚れってパターンもあるけど)。
坂入さんは、黄さんの「もっと感情を出して欲しい」という言葉に対しても、この人何を求めているんだろう、、、という感じだったし、あまりそういうことを大事には思っていない感じがした。
そんな坂入さんに対して黄さんは、この先の短い時間の中で最後の1人に選ぶほどの気持ちを抱けるイメージが湧かなかったんじゃないかな。
そもそも坂入さんのスタンスは、恋愛というよりは婚活的で、まずは相手を好きになるべきか理性的に判断して、そこから恋愛に発展していくべきだ、というものだった。
それは全く悪いことではないけれど、たくさんの美女が恋愛的なアプローチを仕掛けてくる状況で、一人一人と話す時間も少ないこの旅の中では、そのスタンスはシンプルに不利だなと思った。
バチェラーに向いているのは、すぐに相手を好きになって、好きという前提でアプローチを仕掛けられて、かつ結婚相手としてもマイナスな面を出さない冷静さも持っている女性だと思うんだよね。
だから、坂入さんはシンプルにバチェラーという企画に向いていなかったんだと思う。
とはいえ、終始自分をすり減らさずに旅をした坂入さんにとって、バチェラーに参加したメリットは確実にあったと思うけどね!
個人的にはバチェロレッテ2で坂入さんが恋をする姿を見てみたいって思うけど、たぶん萌子さんパターンになることが危惧されてオファーはされないと思う笑