【バチェラー4🌹考察④】秋倉さんだけが持っていたもの

バチェラー4は、朝ドラヒロイン諒子のパワーで感動的なラストを迎え、賛否両論だった黄さんの好感度すらも爆上げしてしまった。

秋倉さんの言動で心動かされたポイントはたくさんあったのだけれど、彼女の良さみたいな自明なものをここで語ったところで大して面白くもないので、今回は秋倉さんが黄さんの旅に与えた影響みたいなものについて語ってみようと思う。

 

最終話はまず、休井さんとのデートからだったんだけれど、率直な感想を言うと、見ていて胸がザワザワした。

とりわけ一緒に料理をしているシーンの黄さんは休井さんを責めているように感じられてしまって(実際にはそんなつもりは全くないのだろうけど)、怖いという気持ちを抱いてしまった。

休井さんといる時の黄さんって、良い状態の時は顔がデレているように見えるし、悪い状態の時はちょっとモラハラっぽく見える。

それは隣に休井さんがいることで、見ている側が勝手に妄想を膨らませてそういう風に見てしまうだけなのかもしれないけれど、

そうだとしてもそれは、休井さんが黄さんと並んだ時に、どこか不釣り合いというかチグハグだからなんだと思う。

なんというか、これまで生きてきた世界の違いみたいなのが自然と滲み出ている感じがする。

 

でも秋倉さんといる時の黄さんは、眼差しが優しくて、赤ちゃんでも見ているかのように顔が綻んでいて、とても愛情深い人に見えるんだよね。

二人が隣で笑い合っている姿はすごく幸せそうで、お似合いだねって言いたくなる空気感がある。

そしてこれは黄さんの、他の誰と一緒にいても引き出されなかった姿だと思う。

萌子さんといる時の黄さんはちょっと情けなかったし、藤原さんといる時の黄さんはダサい通り越して痛々しかったし、中野さんといる時の黄さんはどこか冷たかった。

ああ、秋倉さんといる時の黄さんが一番魅力的で素敵だなって、ここが黄さんの居場所なんだろうなって素直に思えた。

 

そもそも人って誰と一緒にいるかで全然違う人間になったりするものだから、自然と良い自分を引き出してくれる人と一緒にいることって大事なことなんだと思う。

昔すごく嫌いな人がいた時に、その人のことを大切に思っている人もいるということにふと気づいて、ああきっと私の中の何かがこの人の嫌な部分を引き出してしまっているだけなんだなって、どこか楽になれたりして。

そしてそれは、どちらが良いとか悪いとかというよりはむしろ、相性の問題な気がするんだよね。

だから、人生のパートナーとしてふさわしいのは、一緒にいる自分が一番輝けて、一緒にいる自分を一番好きになれる人なんだと思う。

 

黄さんって、何の意味もない言葉ばかりをやたらと求めるところからしても、すごく臆病な人だと思うんだよね。

イカーという訳ではなくて、テイクしてからじゃないとギブできないリスクマネジメント型人間。笑

で、そういう人の心を溶かしてくれるのって、純粋で愛情深くて、少女のように天真爛漫だけれど、すごく繊細で大人びた部分もある、秋倉さんみたいな人なんだと思う。

秋倉さんみたいな人って時に一方的に搾取されてしまうけれど、黄さんは決してサイコパスではないから、心を許したらとことん愛情を注いでくれそう。

 

私は旅を通じて黄さんが変わったとは全く思っていなくて、相変わらず弱い部分のある、でもどこか可愛らしい人だなって感じの印象を持っている。

でも、人って別に変わらなくてもいいと思うんだよね。

もちろん前回の旅を踏まえて変わったと本人が言っていたこともあって、一視聴者としては期待をして観ていた部分はあったのだけれど、ただそもそも人間ってそんなに変われるものじゃないんじゃないかなって。

バチェラー4は紛れもなく黄さんの旅だったし、黄さんという人間の個性が存分に発揮されていたと思う。

 

前回と変わろうとして果敢に挑戦して色々もがいてみたり、その割に詰めが甘くて相手と一緒に自分も傷ついてしまったり、せっかく恋をしたのに上手く踏み込めなかったり、それでも最後はちゃんと自分にとって大切なものを掴み取って、覚悟を決める強さと賢さがあった。

友永さんには友永さんの正解があって、萌子さんには萌子さんの正解があるように、黄さんには黄さんの正解があるんだよね。

それを見させてもらうことで、色々なことに気付かされた自分もいた。

 

とはいえ、こんな風に素敵な旅になったのは、結局諒子ありきの諒子様様のおかげなんだけどね笑

でも、こうやって色んな人の正解を見ることで、この先迷った時により深く考えられる自分に自然となっていくのだと思う。